PENDANT / CEILING LIGHT

都行燈の和風照明器具コレクションの中では広い空間に似合う器具の代表です。大型器具はともすれば大味な印象を与えますが、この器具は四角形と三角形を組み合わせた面が見る角度によって変化に富んだ表情を作り出します側面からは壁や天井に優しい灯りが広がり、フラットな下面からは和紙の拡散光により広い範囲を明るく照らします。
 
木組に使われている天然秋田杉は厳しい寒冷地で樹齢200-250年の長い時間をかけて少しずつ成長するため　年輪の木目が細かく美しく、木の色味はやや赤みがあり、とてもしなやかな素材です。仕上がりが美しく精緻な加工にも向いているため、日本建築、内装、家具などに重用されてきましたが平成24年に資源保護のため供給が終了された貴重材です。長い歴史を持つ都行燈ではストックされた銘木も多く、この器具のクオリティを保つために、貴重な秋田杉を採用しました。
 
この器具の作りにあたって難しい点は、木組みはもちろんの事、下面の四角形には一切桟木等がないため和紙を均等に貼るためにはレベルの高い紙貼り技術が要求されます。
 
灯りの高さを調整可能なペンダント器具と薄型のシーリングライトの２タイプがあり空間に合わせて選択できます。
 
秋田杉の赤みは年を経るごとに深みを増します。一方和紙は経年変化で汚れ、破れることもありますが、貼り替えができるので、時代に左右されないデザインと相まって、機能的にも世代を越えて使い続けていただける器具です。