1-2 灯りの効果【明るさと明るさ感を使い分けよう】

DS X miyako andon あかりの効果

1-2 灯りの効果

【明るさと明るさ感を使い分けよう】

私達が明るさを感じる時2種類のタイプがあります。Aタイプは「明るさ」と呼んでいて、照明用語では照度に当たります。具体的には本を読むときに手元が明るくなることや、テニスなどのスポーツで夜間のコート表面が明るくなることと言えば分かり易いと言えます。もう一つあまり意識している人は少ないのですが、「明るさ感」というBタイプがあります。これは日常、壁や天井、家具などに光が当たって跳ね返る明るさです。ですから表面の材質や色彩で大きく変化します。同じ照明器具でも壁やカーテン、床の色でかなり明るくすることが出来る明るさです。和風照明のファンである私はこれを上手にコントロールして暗くなるのを防ぎます。部屋が暗くて明るくならないと思っている方はAタイプの「明るさ」ばかりを考えているからです。天井にシーリングライトやダウンライトを設置するとこのAタイプの「照度」で明るくしようとするためW数ばかりが増えてさほど明るくならないのです。特に天井照明は床までの距離があるため減光してしまうというデメリットも加わります。Aタイプの「明るさ(照度)」は食事の時や読書の時だけで十分です。床で本を読むのは子供部屋で叶えてあげれば良いのではないでしょうか。現代の生活ではダイニングのテーブル照度とリビングの手元(読書用)照度があればAタイプの明るさは十分で、むしろBタイプの「明るさ感」に注目した方が合理的だと言えます。

壁や天井が明るくなる「明るさ感」

 

都行燈の照明器具はAタイプとBタイプの両方で使えるものが大変多いので、選定の時に悩むことが少ないと思っています。

例えば、コードで吊るすペンダントはダイニングのテーブル上が明るくなるAタイプの光が出ますが、同時に和紙から透過された光は壁や天井を明るくし、Bタイプの明るさ感を出すことが出来ます。又、行燈タイプのスタンドは手元用のAタイプ照明でもありますが、壁の近くに置くことにより、リバウンドした光でBタイプ照明にもなる訳です。

さて、Bタイプの「明るさ感」についてもう少し触れてみましょう。前述したように明るさ感は内装材や家具の色彩などと関係が深いと言えます。そこで今一度壁や天井・家具なども見回してみましょう。日本の壁紙は欧米と比べて明るく反射率も高いので照明器具が近くにあれば「明るさ感」は十分に高くなります。さらに行燈タイプのスタンドは壁への光の当たり方が下から上へ綺麗なグラデーションを描きながら当たるので、その壁紙の美しさが強調されます。スタンドの美しさとその背景である壁の美しさが両方現れるのです。このことはカーテンやブラインド等も同様に起こり得る訳です。

都行燈 4脚行燈XL壁が背景として美しくなる

照明は楽しさを演出できると言われているのはこのBタイプの「明るさ感」が主役になるからです。行燈タイプのスタンドは上手に明るさ感を出すのに相応しい照明器具だと言えましょう。

(次回もお楽しみに)

(文/河原武儀氏)



和風照明器具のミヤコアンドン 都行燈株式会社
Japanese lamp atelier
公式サイト https://www.miyako-andon.com/