2-4 光源について【LED電球の将来性】

光源について

2-4 光源について LED電球の将来性】

 

現在LEDの照明器具はLED光源の取り扱い方により3種に分類されています。

  •  ①LEDパッケージ内蔵タイプ(器具内にLED素子が直接接続されている)
  •  ②LEDレトロフィットタイプ(LED電球をねじ込むタイプ)
  •  ③LEDモジュールタイプ(多数のLED素子がモジュールの中に組み込まれている)

 ②レトロフィットタイプ

今回のテーマは②のLED電球を従来のねじ込みソケットを持つ照明器具が将来的に無くなるかどうか、という問題に置き換えられるのではないかと思います。一部の専門家の間では照明器具がLED独特の形になっていくので、LED電球そのものが無くなるとネットなどで記述されているようですが、LED電球は今後無くなることは無いと考えています。

その理由はLEDの大きな欠点にあると考えるからです。LEDの欠点は一方向には強い光を出すことが出来ますが、まんべんなく360度全方向に光を出すことが大変難しいのです。従って現在でも光をまんべんなく出さなければならない「提灯」のような照明器具は照明メーカー各社がカタログの中から排除してきました。フロアスタンドなどのスタンド類も同様な理由でカタログの中で隅に追いやられています。逆に一方向に光を出せばよい器具であるスポットライト、ダウンライト等はカタログの大部分を占めるようになってしまいました。

もちろんLED電球の照明器具も出てはいますが、LED電球ですら横に出る光は白熱電球に比べ大変少なく、ましてや後ろ方向に光は出ないのです。ですからレトロフィットタイプと言いながらフィットしてはいないと思います。その未完成のLED電球もそのうち技術発達により白熱電球に限りなく近い発光角度を持ったものが開発されると思います。なぜなら提灯や行燈のようなニーズは日本人の心にいつまでも宿っているからです。

LED電球は全方向タイプになっていない

①のLEDパッケージ内蔵タイプはLED素子を交換することが出来ないためLEDの寿命(10年位と言われている)が照明器具の寿命になります。つまりどんな高価な照明器具も10年ほどで廃棄しなければならないと言うことです。しかも10年位と言われているLEDも実は切れはしなくてもどんどん暗くなってゆき5年位で20%位は明るさが落ちているのが実情だと思います。したがってこのデメリットは消費者がそのうち気付き購入しなくなるのではないかと思われます。

 

そこで注目されているのが③のモジュールタイプです。

丸型のモジュール内に(角型もある)LED素子が約10個ほ程入っておりそのモジュールごと交換ができるタイプで、業界では「ワンコア」または「COB(チップオンボード)」と呼ばれています。使用者が交換できると言うメリットだけでなく、色彩や明るさのバラツキが起きやすいLED素子を10個程封入すればそのバラツキが解決でき、粒粒による多重の影も美しい影になるという利点が生まれます。現在多少価格が高くなるので普及のスピードが遅いですが時間が解決することでしょう。

 

結論として①が無くなる方向にあり、今後は②の全般拡散と③の一方向モジュールが安価になり、選択肢として進化していくのではないかと思います。

 

(次回もお楽しみに)

(文/河原武儀氏)



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